調味料の世界
昨日の記事で、世界の調味料についてお話させていただいたのですが、調べていると意外と知らないことが多く、「調味料」というもの自体に興味を持ちました。いろいろな歴史背景があり、面白かったので共有させてください。
目次
1.最古の調味料:塩
2.発酵調味料はアジアの味
3.出汁は油脂の代わり⁈
1.最古の調味料:塩
まず、調味料の代表とも言っていい「塩」について。
塩は、世界中どの国 / 地域でも使われている人類共通の調味料です。最古の調味料ともいわれ、原始時代から魚や肉の保存のために重要だったそうです。
塩には、大きく分けて「精製塩」と「天然塩」があり、天然塩には「海水塩」「岩塩」「湖塩」、さらに風味が付いている「藻塩」や「ハーブソルト」、「フレーバーソルト」など様々な種類があります。
2.発酵調味料はアジアの味
発酵調味料というと、「味噌」「醤油」「酒」「みりん」「酢」などすぐに思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか?
発酵調味料はアジアの味の特長となっており、その歴史は、魚介類の塩蔵から発達した「魚醤」から始まりました。
アジアでは、大豆を用いる「豆醤」として「味噌」と「醤油」が発達し、古代ローマでは「ガルム」と「リクアメン」という魚の塩蔵スープを濃縮した魚醤的な調味料がありました。しかし、時代の流れに伴って油脂やクリーム、肉汁のソース、ドレッシングなどに代替されてしまい、今でも発酵調味料はほとんど使われません。
酸味調味料も、日本と中国は発酵製品である「酢」が中心ですが、インドは「ヨーグルト」や「レモン」「トマト」、フランスでは「トマト」が中心です。
3.出汁は油脂の代わり⁈
日本料理には不可欠ともいえる調味料「だし」。
日本には「家畜を飼ってその肉を食べる」という習慣がなかったため、「動物の脂を食べる」ということを日本の食文化は知りませんでした。
もちろん古来から植物油はありましたが、それらは灯りのために使われ、明治以前の日本では、料理に油を使うことはめったになく、日本料理ではどんな立派なごちそうでもほとんど油をつかうことなく、つくられてきました。
それに対し中国料理には油が大量に使われます。これは、元代の頃からといわれており、支配者のモンゴル族がバターを好んだため油料理が多く、そのころ料理に油脂を常用する風習が強く定着したようです。
油脂には塩味をマイルドにする作用があるとも言われていますが、日本では、油の少ない食材を食べることが多く、しかも油を使った料理もあまりなかったため、塩などの調味料のストレートな味に「こく」を与えるために「だし」が不可欠のものとなったそうです。
日本人が世界で初めて「だし」の化学的分析から5つ目の味覚「うま味」を発見したり、うま味に対して敏感であったり、ということには、このような背景があったのですね。
この「だし」について調べているときに、油脂についても面白い発見があったので、調味料のお話の次は「油脂」のお話になりそうです。
お楽しみに!